ポリエチレンの材料については、密度による分類のほかに、設計上の性能を明確に規定するため、ISO 9080に従って求めた長期水圧強度をもとに分類する方法が採用されています。水道配水用ポリエチレン管及び管継手の材料であるPE100とは、20℃で50年間管が破壊しない一定応力値が10.0MPa以上であることが証明されたポリエチレン材料のことです。
ポリエチレン材料は、1950年以降、長期静水圧強度を中心に改良が重ねられてきました。1989年に欧州で開発されたPE100は、発達の歴史から、第三世代高密度ポリエチレンと呼ばれています。この材料は、次のような改良が行われました。
高分子量領域を増加するとともに結晶構造をつなぐタイ分子を増やすことで、結晶部どうしの間でき裂を生じにくくさせ、長期静水圧強度と耐環境応力き裂性を向上。
低分子量領域を最適化することで、耐衝撃性を向上、かつ適度な柔軟性を確保。
このようにして開発された第三世代高密度ポリエチレンは、高い長期静水圧強度を有すると同時に、従来は高密度ポリエチレンの弱点とされた長期寿命性能を大幅に向上させることに成功しています。