FAQ
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6-01. ポリエチレンには溶剤が浸透すると聞いていますが、配水管への有機溶剤浸透による事故例はありますか。
6-02. 溶剤を扱う工場、ガソリンスタンドなどの敷地内、近くでも大丈夫ですか。
6-03. 有機溶剤の中でどんな物質が浸透しやすいのですか?どれが一番浸透しやすいのですか。
6-04. どのようにして有機溶剤が浸透するのですか。(浸透の原理)
6-05. 溶剤が浸透した場合、管の物性に影響はないのですか。
6-06. 有機溶剤が浸透するのであれば、どの程度浸透するのですか。
6-07. 水質基準値はどのようにして定められているのですか。
6-08. 有機溶剤の浸透防止対策が必要な場合はどうすればよいですか。
6-09. 有機溶剤が浸透した可能性のある水道配水用ポリエチレン管は、布設替えが必要(土壌変更だけの対応では駄目)なのですか。
6-10. 下水道工事に伴う水道管の布設替えで水道配水用ポリエチレン管を配管しました。下水道管で漏水事故が発生した場合、漏水した下水道流体の中にポリエチレン管に浸透するような成分が入っている可能性はありませんか。
6-11. 以下のような“ちょっとした付着”も浸透するのですか?
 

 @) 管に付着した,塗料やマジックインキ

 

 A) 粘着テープ

   B) 施工時に付着した,重機のガソリン(オイル)

 
Q6-01. ポリエチレンには溶剤が浸透すると聞いていますが、配水管への有機溶剤浸透による事故例はありますか。
A6-01. 水道配水用ポリエチレン管では、現在まで報告はありません。
Q6-02. 溶剤を扱う工場、ガソリンスタンドなどの敷地内、近くでも大丈夫ですか。
A6-02. 特定有害物質の量が基準値内であれば使用できます。ただし、工場施設の廃止、土地の形質変更などの場合、工場排水、地下水等から異常が認められた時しか、調査されないこともあります。従って、そういう施設、施設近くに配水管を布設する場合、事前に土壌、地下水等の調査をお勧めします。
Q6-03. 有機溶剤の中でどんな物質が浸透しやすいのですか?どれが一番浸透しやすいのですか。
A6-03. 有機溶剤として、トルエン、トリクロロエチレン、ガソリン、灯油といったものがあります。プラスチックへの溶剤浸透に関する研究で最も進んでいるオランダのKIWA社の報告(Permeatie en drinkwaterleidingen:1985)の中では、クロロベンゼンが最も浸透速度が大きい結果となっています。また,トリクロロエチレンは、有機溶剤の土壌汚染物質として最も報告事例が多く、比較的浸透が速い物質です。逆に、フェノール、メチルエチルケトンは、浸透速度は遅くトリクロロエチレンの1/200以下となっています。
なお、トリクロロエチレンは1989年に「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(化審法)」に基づいて第二種特定化学物質に指定されると共に、「水質汚濁防止法」で有害物質に指定され,現在では厳しく排水基準が定められています。
Q6-04. どのようにして有機溶剤が浸透するのですか。(浸透の原理)
A6-04. 水道配水用ポリエチレン管への溶剤浸透現象は、次の3つの段階に分けることができます。
   @ 溶剤が水道配水用ポリエチレン管材(管壁)へ入り込む。

 A 浸透した溶剤が水道配水用ポリエチレン管材内を進む。

 B 管内部側に到達した溶剤が水道配水用ポリエチレン管内表面から出て水中に溶出する。

 

@溶剤がWPE管材(管壁)へ入り込む

AWPE管材内を溶剤が進む
B管内部水へ溶剤が出てくる

溶剤浸透の度合いは、対象となる溶剤の種類や濃度によってそれぞれ異なります。また、これらの度合いは計算で算出することが難しく、個々の条件で実験を行う必要があります。

Q6-05. 溶剤が浸透した場合、管の物性に影響はないのですか。
A6-05. ポリエチレンは、耐薬品性に優れているため、有機溶剤により著しく軟化したり割れたりすることはありません。
Q6-06. 有機溶剤が浸透するのであれば、どの程度浸透するのですか。
A6-06. 土壌がトリクロロエチレンで汚染されていた場合を例とし、浸透時間・浸透量を計算した値を以下に示します。汚染土壌のトリクロロエチレン濃度が、土壌汚染に係わる環境基準の10倍である0.3mg/Lの場合で計算しました。

@ まず、水道配水用ポリエチレン管内面までトリクロロエチレンが到達する(=管内部水の汚染が始まる)のに以下の日数が必要となります。(単位:日) 溶剤の濃度差により、浸透しますので、土壌が改良されたりして、高濃度の溶剤の供給がなくなれば、継続した浸透はなくなります。


           φ75・・・・・・・・622    φ100・・・・・・・・1201    φ150・・・・・・・・ 2472


A @の状態に到達した後、24時間内部水が滞留したと仮定した場合、管内部水のトリクロロエチレン濃度は以下の通りとなります。(単位:mg/L)


           φ75・・・・・・・・0.0014   φ100・・・・・・0.00073    φ150・・・・・・0.00035


 いずれも、水質基準値の0.03mg/Lよりも十分に小さな値です。 配水管では内部水の滞留が稀であることを考え合わせると、管内部水のトリクロロエチレン濃度は健康には影響ないものと考えられます。

Q6-07. 水質基準値はどのようにして定められているのですか。
A6-07. 世界保健機関(WHO)の飲料水水質ガイドライン、EUや米国等各国の基準値・評価結果等を参考として定められています。
Q6-08. 有機溶剤の浸透防止対策が必要な場合はどうすればよいですか。
A6-08. 溶剤による水道配水用ポリエチレン管への影響はほとんどないと考えられますが、特殊な状況下で有機溶剤の浸透が特に懸念される場合は、以下のような対策を講じる必要があります。
 @鋼管等によるサヤ管を利用する。
 A管路に浸透防止スリーブ等を使用する。
Q6-09. 有機溶剤が浸透した可能性のある水道配水用ポリエチレン管は、布設替えが必要(土壌変更だけの対応では駄目)なのですか。
A6-09. 安全の為、布設替えをお奨めします。また、引き続いて有機溶剤等での土壌汚染の危険がある場合は、A6-08の浸透防止対策をあわせてご検討ください。
Q6-10.

下水道工事に伴う水道管の布設替えで水道配水用ポリエチレン管を配管しました。下水道管で漏水事故が発生した場合、漏水した下水道流体の中にポリエチレン管に浸透するような成分が入っている可能性はありませんか。

A6-10. 一般の下水であれば問題になるような物質は無いと考えられます。
Q6-11. 以下のような“ちょっとした付着”も浸透するのですか。  
   @) 管に付着した,塗料やマジックインキ
   A) 粘着テープ
   B) 施工時に付着した,重機のガソリン(オイル)
A6-11. 浸透しないと考えられます。
物質が浸透するには、パイプ内外での“濃度差”が必要であり、継続的に汚染物質がパイプ外面に接する必要があります。上記のケースでは付着物が短時間で蒸発するために“濃度差”が維持されず、浸透はしないと考えられます。
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